あの台風15号より危険!? 台風19号の脅威
環境が新しくなったり、風邪をひいたりで久々の更新となってしまいました。
季節の変わり目、皆さんも体調を崩さぬようお気を付けください。
この間の台風の記事は単発でシリーズ化する予定ではなかったのですが、あまりにも危険な台風19号の登場につき、急遽台風に関する記事の続編を書くことといたしました。
お時間がありましたら前回の内容も是非お読みください。
それでは内容に入りたいと思います。
台風19号はどんな台風?
台風19号はアジア名「ハギビス」("Hagibis")で、これはフィリピン語で「すばやい」という意味のようです。 [1]
10月10日0時現在、台風19号は小笠原近海にあって、中心の気圧は 915 hPa、中心付近の最大風速は 55 m/s、最大瞬間風速は 75 m/sの、大型で猛烈な台風となっています。[2]
(台風19号の最新の情報はこちら→気象庁 | 台風情報)
気象庁の進路予想図をご覧頂ければ分かる通り、この台風19号は関東地方に接近、上陸する恐れがあります。
しかも、先月台風15号の被害を受けた千葉県や伊豆諸島はこの図の中心を結ぶ線より右(東)側にあるため、危険半円に入る可能性が高いと言えます。
(台風15号と台風19号はほぼ同じコースをたどることが予想されています)
さらにこの時期は9月よりジェット気流(偏西風)が強い傾向があるため、日本付近でスピードアップすることが予想されます。
実際、気象庁の予報によると、12日21時時点で、北北東に 30 km/h [2] と比較的速い速度で進むことが予想されています。
スピードアップするということは、早く去ってくれるように感じますが、スピードアップすればするほど、危険半円での風速は増す傾向にあります。
このことについては、冒頭で紹介した先日の記事
危険半円と可航半円 ~台風15号はなぜ千葉県に甚大な被害をもたらしたか~ - ブルー・佐藤のひとりごと
をお読みいただければご理解いただけるかと思います。
台風15号との相違点
台風15号との相違点の一つは大きさにあります。
9月8日15時の衛星画像 [3] 関東の南岸、八丈島付近に台風15号がある。
10月10日1時10分の衛星画像[4] 小笠原近海に台風19号がある。
台風19号はまだ日本から離れており、二つの画像はスケールが違うので若干分かりにくいかもしれませんが、台風15号と比べると、台風19号のほうが大きいことが分かります。
実際、台風19号は先述の通り大型の台風です。
つまり台風による影響が広範囲に、そして長期に及ぶ恐れがあります。
さらに、前線などの影響で、台風が接近する前から大雨が降る恐れがあります。
更に季節は冬に近づいており、シベリアには寒気を伴った強い高気圧があるため、可航半円と言われる西側でも気圧傾度が大きくなることにより、風が強くなる恐れがあります。
もう少し簡単に言い換えると、気圧の高低差が大きいと風が強くなるということです。
例えば、地図上で等高線が密なところでは坂が急なので、もしそこに川があると速く流れるでしょう。
それと同じような感覚と言えます。
等高線とその断面図のイメージ 等高線が密なところは坂が急である
さらに台風がもともと持っている南からの暖気とシベリアからの寒気がぶつかることで温帯低気圧に変わっても、ある程度勢力を維持し、再発達する恐れもあります。
したがって台風が去り、温帯低気圧に変わった後も風が強く吹く恐れがあります。
そして台風15号は通過後に酷暑が襲ったのに対し、台風19号の通過後は先述のシベリアの高気圧との関係により、西高東低の冬型の気圧配置となり、北日本の山間部では雪が降る寒さとなる可能性もあります。
どう備えるか
もし、土砂災害や洪水などのリスクがあるところに住んでいるようであれば、早めの避難を検討した方が良いでしょう。
物が飛んできて窓ガラスが割れる可能性もあります。
接近前に雨戸・シャッターなどを閉めておくことをお勧めします。
そして数日分の食料品や水分を確保しておきましょう。
また、大規模な停電が起きる可能性があります。
特に、台風15号により被災した千葉県などは仮復旧の状態のところも多いでしょう。
台風19号によりまたすぐに停電してしまう可能性があります。
千葉県や伊豆諸島などにお住まいの方は特に停電に備えてください。
携帯電話やその予備バッテリーをしっかり充電しておくとよいでしょう。
その他、大雨、台風による災害とその対策についてはこちらの首相官邸のページも参考になると思います。
今回の台風はとにかく危険です。
台風15号以上の被害が出る可能性も大いにあります。
是非万全の備えをしてください。
参考文献
[2] 気象庁 | 台風情報
[3] 過去の天気(気象衛星・2019年09月) - 日本気象協会 tenki.jp
[4] 気象庁 | 気象衛星
閲覧はいずれも2019年10月10日